雨/体調:そこそこ
Twitterで話題にしたんですけど、現代の小学生中学生が、現代の児童文学作品・ライトノベルに対してどんな読書感想文書いてるのかちょっと気になる。僕が子供の頃なら全然見なかったメッセージ性を帯びている『四つ子ぐらし』からどんな読書感想文が飛び出すのかもそうだし、『転生したらスライムだった件』あたりからどんな中二病テキストがでているのか計り知れない。
名取さなからバリバリの陰キャロックがでてくるのマジ? むっちゃ良くて戸惑っている。これがやれるなら大抵のこと期待していいんじゃない?
観た。
『ペンギン・ハイウェイ』

完璧な夏の日を求めるなら、見るべき映画。今年見てよかった映画トップ3には間違いなく入る。あと美術が完璧な映画であるのはいくらでも強調されるべき。僕は映画を見る時、メモを取りながら見ていてそれを整形してここを書いたりするんですけど、今回整形が難しい。イメージが豊富すぎる。
原作とだいたい同じ筋道で、しかし細部がけっこう違う。プロジェクトアマゾンの話は大半カットなんですし、僕が原作で好きな傘のシーンがカットされていてちょっと寂しかった。
当初お姉さんがあまり序盤には刺さらなかったですね。むしろハマモトさんかわいくて小学校時代に出会いたくないタイプの女子じゃん……の想いが強かった。いやあ……本当、小学校の教室でハマモトさんに出会いたくねえ~~~~~!! 人生観が狂うじゃん。お姉さん単品ヒロインじゃないのがこの作品のエラいところだと思うんですよね。全編を通して「なにかとなにかは常に対比されている」のではないかと感じました。
原作より残酷描写がナーフされているのもあって、超クソガキアオヤマくんによって被害を受けたクソガキスズキくんが若干気の毒に見えてくるのなんのバグだよ。「僕は全然気にしてないよ」が本当に全然気にしてないのがアオヤマくんのモンスターっぷりだよ。
乳歯の観察ノートが凄まじくよくて「君のノートを全部読ませてよ」みたいな気分になる。小道具のいい作品は気持ちいいです。
中盤からあたりからどんどん気になる描写が増える。暗闇の中でお姉さんと向かい合うシーン、お父さん世界の果てについて語り合うシーンは今にして思えば対? 「世界の果てが遠い外側にあるとは限らない」世界の中心であるお姉さんが目の前にいるくらいだしね……。ハマモトさんが絶対にウチダくんの名前呼ばないの露骨すぎますね。アニメで見ると視線の移動もあるのでわかりやすい。三角測量で大きさ観測するのいい描写。小道具と言えばアオヤマくんのペンギン号レゴを作るのが上手い子じゃないと作れないタイプの造形なのもいい。
ハマモトさんのお父さんがお姉さんを尋ねるシーン、これたぶん原作でも起きている出来事なんだな……。それでお姉さんの決意が決まってしまう。例のシーン、姉派の方々はこのシーン大丈夫だったんですか? 劇場から生きて帰れたんですか?
急速に語られる死、生えてこない大人の歯、未来のお母さんの死、帰ってこないハマモトさんのお父さん、消えてしまうお姉さん、世界の果て、海。アオヤマくんの視点が胸に移動しなくなる。
世界の果てのイオンモールがあるのがけっこう引っかかって、これはアオヤマくんの内面世界なのではないか。お姉さんがアオヤマくんにとっての完璧なお姉さんであるのなら、世界の果てはアオヤマくんの完璧な世界の果てなんじゃない? 世界はアオヤマくんが想像したから生まれたタイプの話?
お姉さんと対等に語り合うのに必要だから、大人のコーヒーを飲むし、泣かないことにしている(泣いていないとは言わなくなる)少年。トランプの散らばるジャバウォックの森とチェス盤みたいなカーペット、お姉さんを想起させるアリスの見立てを散りばめ、歯の生えたアオヤマくんが「個人的な信念である」と語って物語が終わる。


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