大雪/体調:悪い
「ごんきつねでごんが死んでいないとか言うやつは国語力がない」(意訳)という文を見かけて「本当にそうだろうか」と疑問に思ったので、まず原文を読んでちょっと検討してみました。
そして足音をしのばせてちかよって、今戸口を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、ばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、土間
に栗が、かためておいてあるのが目につきました。「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落しました。
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
この描写でごんが死んだと断定するのは難しい。
素直に読むと少なくてもごんが銃で撃たれたとはなる。しかし「ごんが死んだ」と読むのはけっこう「確実性がない解釈」と思います。
まずそもそもの話「銃弾がごんに当たった」とも「ごんは死んだ」ともあえて書いていないのは作者の意図が存在します。その意図の少なくてもひとつは「もしかするとごんは死んでいないのではないか」と、読者に思わせることだと思われます。そのため「この文章を読んだうえで、ごんが死んでいるとは言い切れないと主張することそのものは、間違いではないだろう」と思いました。少なくても国語の問題としてここだけ読ませて「ごんが生きているか死んでいるか」を問うのは、かなり意地が悪いでしょう。
そのうえでやっぱりごんは死んでる。
「読んだ人の大半はごんが死んだと思う」が小説としての『ごん狐』のすごいところだなと思います。
お午がすぎると、ごんは、村の墓地へ行って、六地蔵さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向うには、お城の屋根瓦が光っています。墓地には、ひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました。と、村の方から、カーン、カーン、と、鐘が鳴って来ました。葬式の出る合図です。
やがて、白い着物を着た葬列のものたちがやって来るのがちらちら見えはじめました。話声も近くなりました。葬列は墓地へはいって来ました。人々が通ったあとには、ひがん花が、ふみおられていました。
葬式の描写がこんなにきっちりしてる。こうした「死の伏線」があるから、読者が「ごんは弾に当たっただけではなく、死んだんだ」と解釈してしまう小説になっているんだと思われます。っていうか、彼岸花が踏み折られている描写、むちゃくちゃいいな……。
フォロワーが「(最初に死ぬ時の)ヒュンケルくらいちゃんと死んでる」って言ってたんですけど、ヒュンケルも他のキャラがマグマに飲まれて死んでいく描写があってこそ「死んだ」に説得力がある流れだったよねみたいな話してます。
そのうえでラスト二文が強く死を暗示させる。
兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口
から細く出ていました。
ここが『死の匂い』が本当に強いと思うんですよね。兵十の「もうなにもできない」心境が強く描かれているし、青い煙はただの硝煙の描写ではなく、死(魂や線香)の隠喩でしょうし。なので小説的には確実に死んでいる。議論の余地がないと思います。
とは言え「このような小説の読み方を誰もが出来ると思うな」もかなり強めの真実。「これを読んで、ごんは死んでいないと読み解く読者が相当数いるのに、作者としてごんが死んだと書かない理由はあるのか」「あなただったら書くか、書くとしたらどのような理由で書くのか」まで詰めて考えると相当に面白い小説の授業になりそうな題材だなあと思いますね。
読んだ、観た。
『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』6話

「倒したい相手が巨大化するなんて日常茶飯事だぜ」お前はそうだろうよ!! 「雲の上に天使の国があるという言い伝えはウソだったのですね」さらっと言ってるんですけど、宗教観が変わったり、物理学の歴史が変わってしまったりしていそうな重要イベントがおきているじゃんか。
そう言えばこの世界で仲間になったキャラクターは全部青系統の色してますね。この辺ギミックがあるかもしれない。
悪事の全貌について解説してくれる親切な悪役だ。喋れば喋るほど情報を漏らしてくれる! おかげで展開の先は読める……。
『すごい地層の読み解き方』

今読む本じゃなかったなの気持ちがあって、理由は「入門書のわりには高度で、今の僕だと読んでいて難しかったから」です。もう一冊詳しい解説書があったらそれと並行して読み直ししたい……。全体的に読みやすく、詳しく、文章に魅力がある素晴らしい本と言っていいと思う。地層に興味がある人がいたら手にとって感想を教えて欲しい。




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