2020/06/14

雨/998hPa/体調:あんまり良くなかった

外出先で休憩が必要になったりする程度には調子があんまり良くなかったよ。これは水分が不足していた感じがあったので、雨とマスクと気温のせいでかなり汗をかいていただけと言う事もありそうです。このくらいの時期、無意識に脱水症状を起こしたり熱中症になったりするので気をつけないと危ないんですよね。

ちょっと久しぶりに映画館行ってきました。あんまり混んでいなかったんですけど、でも秋田にしては混んでいたくらいだったんですよね。まあきっぱり言ってしまうと『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』みたいな「映画が好きじゃないと見にこないだろうなって言う映画」としては、混んでました。なんでまあ、まだあんまり外出しない方が良さそうと言う気分になりました。映画館のトイレで手を洗わないで外に出ていく人普通にいたからね! 緊急事態宣言中はさすがにみんな少しは洗ってたんだけどな……。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

名作でしたね。

これは編集と脚本がいいんだなと感心してしまう出来栄えでした。ほぼ前情報なしで観に行ったのですが、まあストレートに言って「題材が題材なので、それほどテンポやスピード感の良さを感じない場面がけっこうあるのでは」と思っていたのですが、全然そんな事なかったんですよね。映画全体がかなり短く感じる出来だったと思います。

『若草物語』と言うよりは『続・若草物語』の映画化に近かったかなと思います。本編の時間軸は続の時間軸で、回想シーンとして若草物語のエピソードが出てくると言う感じの映画になってます。
『若草物語』のパブリックイメージはたぶん「19世紀アメリカを舞台にした姉妹の日常ゆるふわ百合小説」くらいだと思うんですけど、この映画は『続』がメインなので、それほどゆるふわしません。成人した姉妹たちが大人の女性として苦労を覚える流れがメインです。結婚したメグ、小説家としてニューヨークに移住したジョー、病気療養のため実家に残っているベス、ヨーロッパで暮らすエイミー。キャラ立てが当たり前なんですけどうまくて、それを演じるキャストの存在感が抜群。凝りまくった美術がそれをより盛り上げる。あの衣装を見るために映画館に行って全然損しないんじゃない?

しかし姉妹たちを圧巻するほど存在感あるのは、姉妹の幼馴染であるローリーを演じる、ティモシー・シャラメですよ。男性なんですけど、その、圧倒的に顔面が美しいんですよ……。顔がいいって言うレベルじゃないんですよ。『君の名前で僕を呼んで』を見て狂っている方々の観測はしていたんですけど、想像以上っていうかなんていうか。このメンツに囲まれてこの存在感、異常じゃない?! 21世紀を代表する美形俳優になれると思う。存在感ありすぎてローリーのキャラクターの疎ましい部分がキツくて凄かったです。殴りたいその笑顔!

話は21世紀的で、原題である"LittleWomen"が象徴的。なんですけど、これは『若草物語』がそもそもそういうタイトルだし、作中では父親が娘たちをそう呼んでいるんですよね。執筆時期に女性をWomenと呼ぶ事、どの程度あったんだろうって話ですよ。そういう要素が滲んでいる。「女にとって結婚は経済問題である」と言うフレーズが何度か出てくる。姉妹全員に「どうやってこの時代に生きていくのがいいのか」って苦しみがあるのがわかる話なんですよね。邦題が謎邦題なのは失敗かなって思います。ストーリー・オブ・マイ・ライフでは伝わらない要素、かなり多い。
実際に生涯独身のまま小説家をしていた原作者ルイーザ・メイ・オルコット。彼女の存在に時代が追いついたのでこういう映画になったと言う感じはありますね。なにせコンコードで初めての投票権をもつ女性は彼女だったらしい。

そういうのが噛み合ったのもあって、19世紀の文学作品の映画化であるわりには、全然古びたところのない名作、と言っていいんじゃないかしら。

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