2021/08/15

曇り/1015hPa/体調:日中に眠気くらいで総合的には改善

単純に考えて「ジェンダーの問題を考える媒体が増える」事によるメリットは多いわけですから、例えば「そういう作品ならプリキュアがある」にせよ「プリキュアを見ない層に届く可能性が増える」わけなのに、どうしてジェンダーを考えた作品がニュースに取り上げられるとみんなでマウントを取りに行ってしまうのか? みんな自分が好きな作品からなにも学んでいないのでは? みたいになって500人くらいブロックを増やしてしまった。ここしばらくブロック活動を怠っていたので、これを気にもう1万人くらいブロックしておくべきかもしれません。

読んだ。

汀こるもの『探偵は御簾の中 泣かぬ蛍が身を焦がす』

平安ラブコメバトルミステリ小説第二弾。バトルすんな。ネタバレを避けながら感想を言うの、いつもの汀こるもの作品に増して難しいかもしれません。脱線が少ないし。個人の感覚としては汀こるもの史上最もウンチクパートが少ない小説だった気がしますね!

2巻は1巻とは違い、一つの事件を扱ったタイプの長編本格ミステリと呼んでいいだろうと思います。連作短編感もほぼない。粗筋にある「駆け落ちごっこをしていたら殺人事件の容疑者に」の一件が核ですね。なにせ汀こるもの平安京魑魅魍魎サイキックが跋扈する末法世界なので、多種多様な恋愛脳ヴィラン共が元気な生活を健やかに送っています! 許さねえ! 読み終わると「平安恋愛脳ヴィラン」である朝宣の株が上がったことにけっこうビビっています。ヘイトコントロールと言うか「あれでも相対的にマシだったんだな」と言う気持ちにさせるのが抜群にうまいんですよ。これは「登場人物はほとんどクズ!」と僕が思っていることを意味します。クズとかカスとか、最近は日常的には口にしない様にしているんだけどな……。

そもそも僕は平安時代の倫理観が嫌いで平安時代の恋愛話を聞いていると「神がこの時代に人類を滅する決断をし、皆殺しにしなかったのは怠慢である」くらいのテンションになりがちなんですよ。僕の脳は現代で倫理観がない事をしている奴らが皆殺しにされる展開に慣れすぎていて、時代が違って違う倫理の人たちが当たり前の生活を送る話に最適化されていない。
祐高様は平安時代のファッキン恋愛事情の中、純愛を貫くどころか純愛がひどすぎてちょっと頭がおかしくなっているスーパーヒーローなので好き。忍様はよりクレイジーでいらっしゃるくらいの気持ちです。この話で一番変な人は平安時代なのに純愛にあれだけのリソースを捧げる祐高様。だけど作中は彼の視点が多いので、他のヤツらがおかしくて彼が苦しんでいる様に見える構造なのがいい。気持ちよく「全員釈迦如来バスターとかで吹き飛べ!」と思える。

こうして感想をアウトプットしてみると、ミステリ小説なのに「ヒーロー」たる存在が名探偵ではないってのは、かなり特徴に入る気がしてきました。事件を解き明かすやつがヒーローなのではなく、愛を貫くやつがヒーローなのだ、殺人よりも恋愛の方が大きな事件という時代なので……。

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