晴れ／1011hPa／体調：なんとか
増やした抗うつ剤の影響はあまり感じない。
でもまあ今日はちょっと作らないといけないCoCのシナリオを執筆に入ったり、多少は生産的に動けていたのでよしとしていいのではないかな。
読んだ。
高島雄哉『ランドスケープと夏の定理 』
オーディオブックで読みました。朗読がSFにとても強くて声優の池澤春菜さんだったので、用語のニュアンスなどが正確だし、キャラの演じ分けがスマートで混乱しなくてよかったです。
主人公である「ネルス（僕）」と地上最高の物理学者である「姉」をメインにした連作SFです。姉SFとでも言いますか。姉は1000兆に増えます。この無茶苦茶な姉・テアは宇宙規模の天才物理学者であり、その知性を持って世界を次々と変貌させていく本書のトリックスターです。そもそも物語は彼女の失敗により、主人公ネルスに身に起きてしまった出来事を解決するためさらなる悪巧みを企て、彼を宇宙に招くところから始まります。――主人公であるネルスが知性定理、あらゆる知性は共通の理論を持っていると言う定理を発見していた事で、世界のルールは徐々に変貌を遂げている事には、おそらくは彼女以外には気がついていない。
話の方向性はかなりグレッグ・イーガンですが、イーガンほど難解という印象はなく、いい意味で「日本のSFらしい軽さ」を導入した作品であると思いました。ハードSFでもライトな文体で娯楽作品に出来るというのも、読み終わってみると作品のテーマにかなり寄り添ったデザインなので好印象。
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