2020/01/09

ところにより曇り/1015hPa/体調:まずまず

働けた。

読んだ。

円居挽『さよならよ、こんにちは』。ちょっと『丸太町ルヴォワール』を読む前の自分に貸してきたい。これを読む前と後では、流と達也の解像度が段違いだ……。「DRADRA」マジに円居挽の最高傑作では? これ円居先生デビュー直後に書いてたの? マ? 書き下ろしに入って急速にジャンルのゆらぎを感じた時、思わず「これ○○○案件じゃないですか!」と変な声を出してしまった。とにかくこの本、最後の一行がとんでもなくロマンチックで、そのために読んでしまっていい。語りきらずに、この少年の世界のすべてを奈良に閉じこめてしまった。むっちゃ好き。

これ伏線のはりがものすごく丁寧で、複数回読んでも毎回発見があるタイプの作品ですね。
文章そのものに論じる力がものすごくあり、それが作品に噛み合ってる。SFの火星の光景だと言うのに、僕らの脳内引き出しから情景をうまく引っ張り出せるのもうまい。「この推測でいいのかな」と、細かく手探る感じで読み進めやすいです。作者からのイメージの提出がとにかく適切でないと、なかなかこういう事は出来ないのよね。作者がなにを見せたいのかと言うビジョンがよっぽど鮮明なんだと思う。

百合文芸コンテスト、新人コンテストのはずなのに、二年連続でただの超人プロレスじゃないですか。

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