2020/03/22

曇り/1011hPa/体調:悪い

だいぶ疲労が吹き出ています。正直あんまり起きていられない状態が続いているのでまずい。

読んだ、観た。

尾田栄一郎『ONE PIECE』1~60巻。意外と変な漫画だな……? ジャンプ漫画らしいって言えばらしいんですけど。作風としてはコメディバトル漫画路線。シリアスな世界観とギャグ漫画を当たり前に往復するタイプの作品。揺れ幅が極端なんですよね。インフレ漫画なので登場人物たちはどんどん強く、どんどん不死身になるんですよ。腹を貫かれても肉を食うだけで治るし。結果として「じゃあなんでくいなちゃんは、階段から落ちただけで死んじゃったんだよ!」と言う怒りもどんどん強くなります。幼年期とは言えゾロより強かった人がなんで……? こういう種の「ギャグとインフレの進展で微妙な気分になるところ」はいたる所にあって、その最たるものはゴーイングメリー号だよ(ルフィどう考えても雑にしか扱ってないだろ!)。そういう所はあるものの話の作りは緻密で「今その伏線拾うの?!」ってなるシーン、凄い多いんですよね。これだけの長期連載で破滅的に噛み合ってないところまではないの、凄いよ。構成力が段違いだなと感じます。アラバスタ王国のヒロインをビビにすると決めてなくてミス・ウェンズデーを描いて、そこからあの話作り出せないよ……。
基本的にはまあその、野蛮な漫画なんですよね。マッチョ。肉体で語り合うタイプの話。戦闘シーンでもジョジョライクに機転で勝つのはウソップかナミの仕事で、ルフィ達の仕事は「戦いながら強くなって相手を粉砕する」みたいな感じ。麦わら一味はわりと普通にヒドイやつら(軽犯罪多すぎだろ!)なんですよね。これは意図だと思う。この作品においてはちょっとした暴力や盗みはまあ、仕方ない事の範疇っぽいんですよね。問題とされる『悪』は「相手の尊厳を踏みにじる行為」。
とにかく尾田先生、人間の尊厳が踏みにじられる描写が好きならしく、主な登場人物のそのほとんどが人間の尊厳を踏みにじられているんですよ。ニコ・ロビンの過去なんて3個位のひどいエピソードを組み合わせているあそこまでやることないでしょ本当に最高。誰かが誰かの尊厳を完膚無きまで打ちのめし、その事で怒り狂った麦わら一味が悪党退治するのがどのエピソードも基本骨子になっていたんですよ。印象的な作劇法(それはそれとして尾田先生はそういう話が大好きだと思う)。そういう話のため敵がものすごく悪党なんだけど、扉絵でタフに生き延びていたりもするんですよね……尾田先生の倫理観がいまいちわからない。あとからいいヤツになる現象にあんまり納得が行かないんですよ、ワンピ。あと尾田先生、人間の外見に厳しくない? 顔の作りで人生決まりすぎてでは。
「すごい作劇能力と描写力で、ゴリゴリの大河ロマン冒険活劇をしているので、もちろん面白い」と言う作品なんですよ。その一方でバランス感覚が独特なので、やっぱ変な気分になる。
他にも言いたいことは山程あるんですけど(ウソップが弱いと言う話はあまりにも無理がないとか)まあ話が長くなるので。適当に。

『仮面ライダーゼロワン』28話。ちょっとまたひどい展開だな……。さすがに政治対決まずいのでは。公職選挙法違反描写バリバリからの雑暴走では、なにもかも悪い印象になってしまう。今物語の渦中は実は脳改造が発覚した不破さんにあって、或人くんはそれほど主体ではないと思えもする。まあ政治家とラッパーの描写がよくなかっただけで……だけ? エピソードそのものは悪くなかったですよ!

キラメイジャーは好感度どんどん高くなりますね。カッコいい自分好きなのでカッコつけたいと言うのを肯定する流れ、人権!

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