2020/04/10

曇り/1017hPa/体調:よい

体調を上向きに持ってこられた。医者にも誉められているし、病状の事を考えたらよく出来ているまである。えらい。

僕もわりと人生の初期にメフィスト賞に被弾していて、一頃までは続けて全部読んでいたんですが、それと並行して有栖川有栖読んだり綾辻行人読んだり北村薫読んだりしてましたし、ミステリは比較的カーやクリスティみたいな古典に触れやすかったのもあって「ガツガツの正統派ミステリ」「奇想天外それでいいのかよミステリ」どちらもいける体質になったんですよね。
純粋培養メフィスト賞読み、ミステリよりもSF読んだほうが水に合う作品が多い、ありえますよ。
メフィスト賞を読み漁った結果としてファンタジーやSFなどの要素を扱った小説を読む視点も養えましたし、僕の場合はそれでかなり得をしている。なにせ読めるジャンルの幅は読むことでしか広がらないので(読んだ結果水が合わないと思ったジャンルもけっこうあります。具体的には前にも触れましたけど、歴史方面疎すぎて結局あんま読めないんですよ。疎いと興味が生えにくいので手に取る機会が少ないですしね)。あと読んで感じる事の幅は他の人の感想を読んだりして広げることも出来るので、感想を共有する文化もありがたい。いい時代になりましたよね……。

読んだ、観た。

『HiGH&LOW2 END OF SKY』あ、むちゃくちゃさが戻ってきた。バトルシーンになるときっちり流れるチームごとのテーマ曲、何人いるのかわかんない人数での大乱闘。顔のいい男の過飽和状態で何人か区別できなくなる。砕けるコンクリートねじ切られる金属管! 迫力のバトルとバイク! これがハイローだ! と言う感じの作品ですね。大変エンタメとして充実しており、文句つける所はない……と言いたいんだけどさあ! 治外法権にも限度がない!? リトルアジアの中では逮捕されないのに一歩外に出ると逮捕されるの? しかも刑期なんか短そうなんだけど! そして刑務所なんでこの狭い地区に二つもあって、名前、なんで羅千刑務所とサンキングス刑務所なの!? ヤバくない?! サメ映画の時みたいに枝葉の設定に対してツッコミを入れてしまいたくなる……映画そのものスゴく面白かったんですよ! 実写るろうに剣心くらいに観る価値あるんですよ! でもこういう変な設定に対して「おい!!!!!」って滅茶苦茶あるんですよ!

斜線堂有紀『恋に至る病』これは大変面白かった。今年のベスト級じゃないかな? 特別。と言う言葉についての話でもある。
自殺教唆ゲーム『青い蝶』を作り、150人以上の被害者を生み出した化物、連続殺人犯・寄河景。彼女に救われた幼なじみの少年・宮嶺の回想する、出会いから別れ、最初の殺人から最後までの物語となっています。
冒頭がかなりヤバいです。幼なじみとして出会った二人。そのシーンが良すぎる。こんな展開が起きてその相手が美少女なの、確実に人生が破壊される。親切に助けられたのに「滅茶苦茶にされてしまった」と言う感情がこみ上げてくる。そして続く物語は、実際に滅茶苦茶にされた少年が滅茶苦茶にした少女とどう生きるのかと言う展開なんですよ。少年と少女にとっての『特別』と言う概念を巡る戦いなんですよ。
ミステリとしては語り手である宮嶺は冷静な視点(と、ヒロイン景に対する完全な愛情)を持っている人物で、かなり丁寧に登場人物の行動と心情を綴っていますし、解決編で明示される真相も明確なのでかなりわかりやすいのではとも思います。リーダビリティが高いので飲み込みやすいんですよね。二周読めば「自分なりの結論」がくっきり出るタイプの作品だと思います。

はっきりと語られてないある要素の真相に関しては、ほぼほぼ、直感なんですけど。

この事を宮嶺が記憶していたので、彼はこの結末を選択するに至ったのだろうと思うんですよね。これだから宮嶺は、この要素だけは絶対に否定させない。ただだからと言って景はどうなんだと言うと、これは複数の解釈が出来るように書かれているので(でもたぶん……P43を読むにほとんど……だと思うんですけど)断言は出来ないよね。

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