2020/12/09

曇り/1023hPa/体調:普通

「開き直って完全にオフにしよう。一日本読んだり、Fireタブレットにぶちこんだカラカラ惑星でもプレイしてよう、あっ『嘘喰い』も読まなきゃ」くらいのノリですごしたら流石に体力回復してきました。

母親に頼まれて、昨日カルディコーヒーでこのビスケット買ってきたんですけど、うまいですね。キャラメルとシナモンが好きなら買って損はないと思う。リピートしちゃうかも……(無限に食ってしまう)

読んだ。

斜線堂有紀『死体埋め部の回想と再興』。かなりの推し小説である『死体埋め部の塊根と青春』の続編にあたる作品です。読むには前作を読んでからの方がいいと思います。


こっちが前作ね。

正当防衛で人を殺した祝部の前に現れた、いっしょに死体を埋めてくれる大学の先輩・折賀。たった二人の先輩後輩。先輩が求めるどうしても欲しかった理想の後輩、後輩が求める優しく頼もしい理想の先輩、二人の揃った「死体を埋めるビジネス」を繰り返すだけのサークル活動『死体埋め部』。繰り返される「死体を見て、どんな事件が起きたのか?」だけをあてる二人きりの推理ゲーム。二人の九マイル。

絶対にいつまでも続いたりしない時限式の青春を描いた『塊根と青春』、その終わりを読んだ人間のために書かれた本格ミステリです。
作者の斜線堂先生曰く「これが織賀の人生のピーク」「これが祝部の人生の終わり」その両方を一度に楽しめるとのこと。わりと邪悪な宣伝文句じゃないですか?
内容としては「梅雨の一日」「北海道死体埋め部合宿」「不在ルート」「再会ルート」となります。

お勧めする層はずばり「共犯関係が好き!」「男と男が仲良くしている小説が好き」みたいなところなんですよね。あとは「そもそも軽いタッチで書かれた功名なライト文芸が好き」なら行ける。
僕はこのシリーズがかなり水にあうらしく、ここしばらくでもかなり楽しんで読みました。凄いと思う斜線堂作品は他にもたくさんあるんですけど、一番楽しいのはこれなんですよね。
その感覚は主人公となる二人の関係性にあるかなと思います。折賀にとって祝部はたった一人の、本当に欲しかったもの。恋愛も共犯も越えた先にある「後輩」。祝部にとって折賀はたった一人の、自分を救ってくれた恩人。感謝も友情も越えた先にある「先輩」。お互いがお互いに依存しあって、仲良く死体を埋め続ける、たった二人の歪んだ日常がとても楽しいんですよ。

これは「二人が仲良くしているところをもっと読みたい」と思った読者向けの作品だと言っていいと思います。
描かれていることは基本的にはそれだし、それでいい。この二人の間には誰も介入しない。祝部が推理を語る相手は折賀だけで、祝部が語る推理を承認するのも折賀だけ。その気持に浸るためのミステリ。

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