2023/04/02

晴れ/1021hPa/体調:

ヒロプリが大正義になってしまった……。

この本の話題がTwitterで出たんですが、米澤穂信の闇の青春小説とかイヤミスとかホラーとかを読む時に期待するのは「対抗できない暴力によって、ぼろぼろになる」タイプの感情を抱く事だし、それを受け入れて楽しむタイプの感受性のある方にはどんどん勧めていいと思うんですよね。ジャンルそのものが人をちょっと選ぶけど、その中では一番勧めやすいみたいなものでしょ。

なにが言いたいかというと『さよなら妖精』を読んでくれです。

観た。

『テーラー 人生の仕立て屋』

テーラー 人生の仕立て屋

明るい楽しい映画ではない。『シェフ三ツ星フードトラック始めました』みたいな映画を期待してみると人が一定数いると思うんですけど、そういう映画ではない。と言うか、この映画をコメディおしゃれ映画宣伝してるの、僕にはあまりわからない。
話の筋としては(高齢者社会、不況が直撃したギリシアでは『スーツ専門の仕立て屋』では食べていけない、融資も切られ店が潰れた。そこで主人公は入院中の父親の治療費を稼ぐため仕立てを行う屋台商売を始め、偶然にも手がけたウェディングドレスで評判を得始める)みたいなものなのですが。

ヒロインに当たるのはお迎えの奥さんで、旦那さんも生きてる。つまり不倫。これへなにもすっきり解決しないまま終わる。と言うか恐らくそれが原因で手作りの屋台が破壊されてしまう。破壊される様な、簡単に壊れる幸福しか手にしてないと言う話じゃないか、これ?!

ウェディングドレスを作るが自分の幸せは手にできてない。
幼い頃から仕立て屋としての人生しか歩めず、他の道はなかった。スーツ職人では食べていけない状態そのものが『真面目な生活』を送れない、人生の否定の文脈なのでは??? なんかラストが唐突と言っている人が多かったんですが、わざわざ警告しに浮気相手の夫が顔を出してるんだから必然の筋だと思うし「予告された破滅を回避できない」っていう文脈に見える。人生の再出発はしてるけど、望んだものを手に入れているのか? ううん……? なんだ? 「世間の感想と僕の感想がだいぶずれてる気がして気持ち悪い」のかなりあるぞ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました