2023/11/07

雨/1013hPa/体調:わるめ

人魚肉が神聖を帯びるエピソードそのものが、一種のカニバリズム、タブーを犯すことにこそ意味がある、簡単に言えば不死は得られるが呪われる文脈ですよね。従って単三電池は呪いの可視化(見える化)であると考えられます。ちいかわもこのエピソードは禁忌にまつわると言うのは隠すつもりがなく、だからこそ禁忌の煮物……キンキの煮物……ってこと?! という渾身のダジャレを展開に盛り込んだのでしょう。

正直「ちいかわ族が人魚を食べるのは、別に(読者にとってはともかく、当事者たちにとって)カニバリズムなのか……?」と言う疑問があるのですが、ナガノ先生が「禁忌の煮物」と言ってくれているのでカニバリズムに含めて良さそう。

マジに感心するのは文脈の多さなんですよね。「人魚を食べて不死になる」に友人の命と復讐を乗せて、食糧として重要ではないが別の意味はあり、凝った料理で自分で食べるわけではない……みたいなバリバリに文脈が乗りまくってる。非常にロジカルである。ロジカルすぎて単純な食人行為になってない。なのに異常にインパクトがあって、みんなが動揺してる。画力で殴られたからってのはあるんでしょうけど。

観た。

『葬送のフリーレン』2話

葬送のフリーレン

最初の「勇者ヒンメルならそうしました」回……。勇者ヒンメルの大きさが一言で伝わる名フレーズなんですよね。人がいいことをする理由になった人を「勇者」と呼ぶの、功績を一つ一つ語るよりも納得力がある。
フリーレンのことを「ずっと大人」と言うの、ちょっと不思議な価値観。
ヒンメルがフリーレンの魔法を誉めたように、ハイターはフェルンの魔法を誉めて、それが彼女たちにとっていちばん大切な真実なんだな……。

『葬送のフリーレン』3話

葬送のフリーレン

この頃のフェルンは連載の最近のイメージと比較するとまだまだ子供っぽいと言うか、ストレートにガキと言っていいんだよな……。
勇者ヒンメル、倒しきれなかった魔族の封印を見回りしに行って「勇者ヒンメルはお人好しだなあ」と言う話題にしかならない男。勇者ヒンメルだって魔王を討伐するくらいだから勇猛果敢であったはずなのに、そんな事よりも人の記憶には「ヒンメルの優しさ」ばかりが残っている。これは間違いなく『葬送のフリーレン』という作品の核で、勇者ヒンメルの足跡をたどる旅は彼の優しさを認識する旅でもあるんだよな……。

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