2024/03/02

雪/1013hPa/体調:そこそこ

突然の雪。考えてみれば3月というのはこのくらいの気候であるわけで全然驚く必要がないんですけど、2月がありえないくらいに温暖な気候だったので、脳がバグってます。

マダム・ウェブ

宣伝で強調されていたミステリーサスペンス要素は実際には皆無のアクション映画で、クオリティが高いわけではないんですけど、「大人が責任を果たす話をやってる」ので好感度は高いです。評判の悪い脚本、演出、音楽の悪いところはだいたい前半1/4に集中していて、正直この時間は僕もけっこうキツイかもって思ってたんですが、だんだん良くなってくるタイプでした。終盤は素直に感情移入して主役チームたちを応援していましたよ。表現とかキャラの作りが変に90年代~ゼロ年代っぽい映画でもあったな……(今どき眼鏡+ニーハイの美少女陰キャ少女が出てくることあるんだ!! って声に出そうになったよ)
主人公であるキャシーの職業は救急救命士なのですが、彼女はこれを仕事としか思っておらず、熱意がない。出自は孤児になるわけですが、彼女が保護する3人の子供たちはそれぞれの事情で家族という構造を失い、それぞれに苦しんでいた。あり得たかもしれない自分である彼女達に、キャシーは救命処置の技術を教える。それを通して描かれるものが「大人の持つ力と責任」であります。『大いなる力は、大いなる責任を伴う』。
マダム・ウェブと言うヒーローのオリジンは、戦いではなく、彼女の生活にある。この描き方は白眉だと思うんですよね。これをやっただけでこの映画はほめられるべきだと思う。ヒーローとしての能力に依存しないこの『大いなる力と責任』は作品としてだけではなく、ヒーローとしてのマダム・ウェブの特徴でもあるでしょう。子供の未来を見ることが、子供の未来を信じることができるからこそ、メンターに位置するキャラクターとして彼女は今後描かれるようになる。この要素の掘り下げは本当によかった。

読んだ。

『有頂天家族 二代目の帰朝』

最高峰の娯楽文学小説だった。赤玉先生の子供、二代目が京都に戻ってくる。その事をタイトルで「帰還」でも「帰国」でもなく「帰朝」と表現する京都仕草よ。とにかく描写の素晴らしさが圧倒的。なによりもユーモア。ユーモアの強さを感じます。コメディでしか表現できない物語は明確に存在するし、これはそれに該当すると思うんですよね……。早慶もまた「矢三郎の家族」の一員なんだな……と言う理解が込み上げた瞬間、変な涙が滲んでしまった。はよ3巻! 3巻を頼む! また死ねない理由が増えてしまった!

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