曇り/体調:心臓苦しめ
名取の人生の主人公は名取だし、みんなの人生の主人公はみんなですよね? だから他人に何を言われようが、どう思われようが、自分の足で自分の人生を歩んでいってほしい(中略)この曲が、このライブが、名取の独りよがりだと言われても、そんな事は名取には関係ないし、やりたいことをやるぞ! という気持ちで、今回『独ゼン者』というライブタイトルをつけました。
名取さなが2ndライブでこうした発言を『思想』として、自ら作詞した『誰かのための言葉』を披露しました。
そもそも名取さなはかなり昔から「人間は推しに依存して破滅するべきではない、自分の人生をやれ」と言う趣旨の話をしているので、話していた主張そのものは驚くことではないと思います。

なお「生きているだけで偉い」のインターネット・ミームはおそらくは、2chメンタルヘルス板から広まったはずである(※僕の独自研究なので出典はない)。インターネットは雑なものなので「推しに対して『生きてるだけで偉い』と言ったり、推しに『生きてるだけで偉い』と言ってもらう」みたいな雑な消費をされていたものである。
個人的に面白かったのは「それらの主張が楽曲を通して言語化されることによって、哲学である『実存主義』と合流したように解釈できた」ことでした。
実存主義とは、すごく大雑把に整理すると「自分の人生は、自分で選び、自分で意味をつくるんだ」という考え方のことです。ふつう、人は社会や家族、学校、宗教そして時に『推し』から「こう生きるべき」という決まりや期待を受けています。しかし――「他人が決めたルールに合わせて生きるだけでは、本当の自分にはなれない」と考えるのが、実存主義の哲学者たちなんですね。
「それじゃ僕の価値は何?」を直接的に自問する名取さなの代表曲『きらめく絆創膏』。
2ndライブに先駆けて発表された3曲を意識的に聞いていきましょう。
『明証』の冒頭では「たとえば雨音曇り空が 哀しそうなんて誰が決めつけたの?」と「本質」への疑問が提示され、以降も「実存」を持つことを促すようなフレーズが続きます。
『アウトサイダー』の冒頭では「そこには自由だけがあった 選ばれたわたしと 無数の途絶えた足跡と」と「人間は生まれながら自由であるが、それは過酷なものである」と言う実存主義の世界観が説明されています。
『自分らしさに会いに行こう』ではどうでしょう。「正解なんてわからないけれど 目をこらして 耳をすまして あなたはいったいどんな人だろう」。自分の決定は自分が成すものであり、自分とは自分が選び取るもので、自分の内面に耳をすませることを訴えかけます。これもまた実存主義的な主張です。
このように名取さなの最近の楽曲はかなり実存主義を意識しているとかいしゃくでk…………………………まあここまで全部僕の妄想で、名取は「はぇ~! そんな言葉始めて聞いた~!」って言い出しても全然おかしくないんですが……。
でもセットリストに「クリエイション」とか「アイデンティティ」とか「レーゾンデートル」とかのキーワードを含む楽曲を散りばめておいて、天地創造の歌である『ステキナノカデパレード』まで歌っておきながら、まるで哲学を意識していないとは思えないんですよね。僕もVtuberのライブを見ていて、実存主義を浴びる日が来るとは夢にも思わなかった。
……ところで、もしかして名取、この時の話って反出生主義ってこと!? お前普段から酸っぱい葡萄の話するの、あれルサンチマン意識してる!? 教えてーーーっ!

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