2020/02/01

曇り/1018hPa/体調:気圧が急に上昇している時独特の悪さ

映画館から帰宅して今これを書いているんですが、だいぶ調子が崩れてきました。参るなー。

『ジョジョ・ラビット』

これ10歳の自分にも見せたいんで、大名作ですよ。みんな観れるなら観たほうが良いと思う。

冒頭、イマージナリーフレンドのアドルフ・ヒトラーに励まされた10歳の少年が、「ハイル・ヒトラー!」と大声で連発しながら街を全力疾走して、そこでビートルズの『抱きしめたい』のドイツ語バージョンが流れ出す。と言うつかみがもう完璧でしたね。爆笑しちゃったよ。

『抱きしめたい』はビートルズの初期ナンバーで、「友達以上恋人未満」くらいの距離の恋心を描いている曲です(なので曲中キスとかハグしないんですよね)。イギリス人の歌う全米ナンバーワンヒットソング、そのドイツ語バージョンを流す。この曲がどういう曲なのかわかっていると、だいたいここでどういう話をするのか伝わるんですよね。殴りつけ方、的確すぎるでしょ。そんな事が全然わかんない人が見ても「やたら景気のいいポップな曲を背景に、10歳の少年が『ハイル・ヒトラー』と繰り返し叫んで走っている」と言う絵で映画の方向性は伝わりますよね。

『ジョジョ・ラビット』は『抱きしめたい』が似合う位の、小学生の少年のする淡い恋の物語なんですよ。ただ作品の舞台はWW2戦時下のドイツ、彼はナチスの信奉者で、相手はユダヤ人の少女なんです。当然わりと悲惨な状況です。でもこの状況を扱って「全年齢向け映画」、だから全人類が観ることが出来る。こういうテーマを扱ってなお、まったく暴力的でもグロテスクでもない映画を作るというの、それ自体がもう偉大な仕事ですよね……。

キャストたちの仕事もいずれも素晴らしい。作品の世界観にふさわしいと思える演技ばかり。僕はとくに難しい役どころだったキャプテ・Kが強く印象に残りました。あとヨーキーもよかった……。
ここ何年かで一番「子供にも観て欲しい映画」だったのは間違いないので、自信を持って推せます。

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