2020/04/05

曇り/1011hPa/体調:まあまあ

「オンラインオフ会」と言う言葉を聞いてゲラゲラ笑ってしまった。

読んだ、観た。

『BLEACH』1~48巻。黒崎一護がいいヤツですね。武藤カズキと同じくらい人間ができてますよこいつ。「見かけの割に良識人、しかしケンカは強いキャラ」のわりにバトルマニア感は皆無に近い(これはチャドがより顕著ですけど)。言われているほど勢いの漫画ではない。そもそも外見が不良っぽい要素、生まれつきの髪の毛色だけだし。この人格の持ち主を「仲間を助けるために」と言う動機でガンガン死地に向かわせるの、ちょっと抵抗があるレベル。戦闘後に最初に気にするのが仲間の無事だったりするもんね……。他の隊長たちの傲岸不遜っぷりを考えると、作者が意図的に善人として描いているんだろうなと思います。黒崎一護の人格そのものが作品のテーマの一つであるのが明白。
基本的に戦いにおける勝ち方は「相手より強くなって相手の技を破る!」なんで知性的な感じはあんまりないです。それが面白みでもある。一方で登場人物は理性的ではあって(虚のみなさんなんか、人間やめて虚になって理性を失ったはずなのに、わざわざそれを取り戻して取り戻しまくったやつが強いんだもんな……暴力に身を任せるやつは格が低いが一貫してる)、それが妙にカッコいい台詞や技名と組み合わさって独特の味わいになっていますね。「なん…だと…」とか理性的に戦っている時に言われるから、妙に面白みがある台詞なんですよね。みんな能力の説明になると丁寧に落ち着いて喋るんだもんな。あと強キャラの強キャラ感が抜群。剣八さんとか全然負ける感じしないんですよね。
一方で個々のバトル能力の考えは大雑把で「なんで最速の男の能力が洗脳系で、完全にミスマッチなんだよ!?」みたいな所は山程ありますね。
時々入るコメディのバランスが絶妙なんで、ライブ感とバランス感覚が絶妙なんだろうなあ。あと30巻くらいから「マジに絵がうますぎる漫画」に格上げになってますね。

『スパイダーバース』完璧な映画だな?! できの良さに覚えがあって、調べたら『LEGOムービー』と脚本の人同じでした。言われてみると、テーマ性も似てる……。トラウマを開示し合う事でわかりあうスパイダーマン達とか、ペニー・パーカーがかわいいみたいな情報しか持ってなかったんですけど、ド直球のエンタメ傑作ですね。映像がいい、演出がいい、キャラクターがいい、そしてなにより脚本がいい。頭脳明晰だけど自己肯定感に薄い主人公マイルスがスパイダーマンに出会い、さらにスパイダーマンに出会い、さらにさらにさらにさらにスパイダーマンに出会い、スパイダーマンになる物語なんですよ。真っ当にヴィランと戦い、スパイダーマンとして勝利する話。たくさんスパイダーマンが出てくるところしか話にひねりはないんですけど、だからこそ完璧。王道。
友情と恋、家族への愛情と別離、孤独と仲間、その全部描かれている。おおよそヒーローが出てくる話に期待したくなるようなテーマのそのほとんどが2時間でまとめられている。覚醒ヒーロー誕生ものとして完璧すぎるんですよね……。誉めるところしかない。減点するところはない。加点するところは大量にある。個人的にはメタ要素あるので、これを最初のスパイダーマンにはお勧めしないんですけど、それくらいしか困る所ないですね。とにかく一箇所でも誉めると、全部のシーンを誉めたくなる。

『仮面ライダーゼロワン』ゼロワン第三部開始と言う感じ。ヒューマギア回収するという冒頭。しかし実際には町中に大量に不法投棄されているヒューマギア。それもすべて外装がなかったの気になるんですよね。あれ不法投棄する人が、外装(つまり人間の皮部分)を素手で剥ぎ取ってから捨てているのかしら。身元が特定されたりしないように。嫌な光景だな……倫理観完全に麻痺しそう。剥がした皮を売るとか、そういう邪悪な商売が違法で成立していそうだ……そもそもヒューマギアを廃棄したらあの社会、いろいろな機能の麻痺が起きそうで(インフラ業界や災害救助にヒューマギアが使われているのは描写されていますからね)危ないし、かわりにZAIAスペック配布されても人手不足が解決するとも思えないんですよね。サービス業が地獄を見ていそう。その辺は今後描写されるとは思うんですよね。今まで仕事現場におけるヒューマギアをさんざん描いてきたのは作品の財産なので、それを放棄するはずがないですから。おそらくは飛電制作所による飛び込み営業編があるあず……。
エピソード本編はかなり順調に加速した感じ。概ね好感触ですよね。ただ1000%社長の「まさかイズがシンギュラリティに達するとは!」って台詞、さすがに爆笑しちゃったよ。今までなにを見ていたのよ。今回感じたのはゼロワンの魅力は世界観に寄りかかっている部分が非常に大きいので、世界観に寄り添ったエピソードするなら歓迎したいってとこですね。

キラメイジャー、今回もコンプライアンスレベルが高い。実はリーダーではない事に忸怩たる思いがあるイエローがそれを口にしない、でもショベルはその思いをわかってしまうので暴走する、イエローはその事を汲んでショベルもレッドも傷つかない解決策を提案、みんなでそれに協力すると言う流れ。これは子供の視点からでもわかる「他人を思いやって行動する集団」の絵ですね。人を傷つける意図の発言、一個もなかった。凄いことだ。

子供向け番組、視聴率や玩具の売上が展開はもちろんキャラクターの生存にまで関わったりする事を念頭においた上で評価を考えないといけないなあと言うのは、最近よく思います。

ゼロワンの序盤が面白かった反面、むちゃんこ駆け足だったのも玩具展開のためだったし、お仕事五番勝負みたいな企画が通ったのも子供向けの展開だと判断されてのはず。キラメイジャーもゼロワンも少なくても今の印象だと、序盤は「働いている大人のかっこよさ」は描きたいテーマで、それを子供に向けているはずなんですよね。なので今キラメイジャーがいい感じなのは子供向けとしてあの路線でいいかを手触り確かめているところでもあるのかな。

一方でゼロワンの展開は「子供向けにやったはずのお仕事対決という路線が、負ける側を作るというドラマ構造を必要とするため、かっこいい大人を失う結果に繋がってしまった」と考えた方が良いと思うんですよね。たぶんだけど。刃さんの出番の少なさとかも子供の影響がないとは思えない。

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