2021/01/04

曇り/1025hPa/体調:ふつう

ブックドラフトが起き、規模がでかくて現実から逃げています……。年末年始で少し本を片付けたと思ったらこれだよ……見えていた床がなくなった地獄。このままでは部屋から出ることすら出来ない!
いやだ! 本が原因で死ぬなら直撃を受けて即死したい!

頑張ってどけます……泣きそう。

ちまちまワートリを読み返していたんですが、この作品は情報が増えると序盤・中盤のエピソードの印象も違うように作られているので、読み味がいいな。繰り返し読みたい作品。

観た。

『ご注文はうさぎですか? BLOOM』12話。


正直見る前ほとんど期待してなかったんですが、終ってみたら名作だったまであるな……。さすがに流行がすぎたので思ったより話題になってないんですが、作画・演出・音楽全部のレベルが高くて「いい意味で型にはまった作品」として仕上がっていたのは間違いない。放送時期の延期までしてきっちり仕上げてきた意味を感じられる作品でした。

EDテーマの『なかよし! ○! なかよし!』、最初はあまりにもかわいい世界の歌で「ちょっと恥ずかしいな」と思っていたんですが、シーズンを終えて聞くと歌詞が「あんまりにも素直に、作品で語られる事を言語化していた楽曲」だったので、この歌詞以外になかった。みたいなところも賞賛しちゃいますね。なので12話限定EDが「別にいらなくね?」と思えてしまった。

モカさんが出てきたところ「蛇足にならない?」と思ったんですが、結果として話にメリハリをつけていて印象深くて驚きました。モカが「お姉ちゃんであるためにきちんと努力している」と言う話がよくて、結局は彼女たちは全員成長途中の子供であり(そして大人も子供といっしょに成長するものなのだとも、作中の指摘があるわけで、そこも印象深かった)助け合って生きていく。今が一緒がいいね。ずっと一緒がいいね。楽曲の歌詞と世界観が完璧に合流していて、これはカタルシスがある作りだった。日常エピソードだけで「あっ!」と思わせるのは作りがいい。

変わっていく季節、外の世界への憧れ、様々なものを飲みこんで『今』を選択できたチノ。「ココアの実家」周辺のひまわり畑、これはもう確定で「チノの母親が高校時代をすごした場所」としていいでしょうし、そうなるとSingForYouで出てきたひまわり畑もそういう事なんでしょうね。母が死んで以来、すっかり内向的になっていたチノのところに、母が青春時代をすごした場所から、母の親友の娘であるココアがやってくる。そして彼女たちの青春が始まると言う流れの物語だったとなる。ココアとチノはこの辺のことを全然知らない様子だし、たぶんティッピーも把握してないと思うんですけど、タカヒロさんは全部知っているのかな。と言うかそうじゃないと「他人の娘を自宅に下宿」なんてさせないよね。

チノが外を急に意識するの、急と言えば急なんですけど、モカのシーンがちゃんと出来ていたので「説得力」がある。
その上で「みんなが一緒の時間を増やしたい」を優先するチノの命令。そもそもチノはココアと出会う以前なら絶対にそういう事を口にしないタイプの少女であると繰り返し語られていましたから、印象的です。主に『成長物語』として語られていますが、内向的な人間が外交的になると言うのは必ずしも「成長ではない」と思うので(とくにチノは接客であればこなせるわけだから、そこから先のコミュニティ能力は個性であると思う)、これはむしろ「それだけ心を許せる相手を増やせた」と言う話だと感じます。その「数」を絵で伝えてくる作りも、クリエイターの意図にあるのは間違いなかったですしね。11話が完全にそうだった。

なおシーズンを通して印象的だったキャラクターはリゼ。「かわいいもの好きであることを隠さなくなった」と言うのがキャラの魅力として感じられました。これは世の中が「そう言うのをオープンにしたところで、あなたの人間的魅力は変化しないよ。それは個性で、みんなはあなたのそこも愛してくれる」としてくれる風潮になってきたことも影響していると思います。学校の友達がいるのも明確だし、周囲の人間がとにかく彼女を慕う事に納得がちゃんとあるキャラになっている。
シーズンが進むごとに「キャラの魅力を作り手・受け取り手が理解」していったのが印象の良さに繋がっている気がします。まあ……一期1話のココアは正直、あまりに『愚』で距離感がわかってない人物で、ふつうに「苦手」って思っちゃうよね。そういうところが丸くなったし。

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