2021/03/10

晴れ/1022hPa/体調:エヴァンゲリオン倦怠感

まず最初にエヴァに被弾していない人生を歩んでいる人には信じられないような思い出話をするけど、どうか興味があったら聞いて欲しいんですよ。

僕がエヴァに興味を持ったのはアニメ誌(記憶を丁寧に遡るに、おそらくは月刊ニュータイプ)の表紙になっていたプラグスーツ姿の綾波レイを見ての事だったのをよく覚えています。

その記事を読んでもテレ東なき民としては「どうやらものすごいアニメが放送しているみたいだ」と言う事しかわかんなかったのもよく覚えています。

その後、どんどんエヴァは社会現象となっていきました。

ラジオを聞いていれば「彼氏に他に好きな人が出来たと言われて別れました。好きになった人の名前を教えて欲しいと頼んだら『綾波レイ』と返って来ました」みたいな投稿がなされていたのも覚えています。

そして僕の身にも起きた事件のこともよく覚えています。
ある日、僕の家に友達でもなかった同級生が訪ねてきたのです。彼はどちらかと言えばオタクと呼ばれるタイプである僕らから距離を取っていたタイプで「なんでどうして、うちに?」と思いましたね。

僕の顔を見て、彼は頭を下げてこう言いました。

「もしエヴァンゲリオンのグッズを持っていたら見せて欲しい」

いやちょっとまって、そんな事ある? 嘘でしょ、しかも僕はグッズ収集しない人だから、君が決意で頭下げるの完全に無駄決意だよ……。

これが社会現象:エヴァンゲリオンです。怖いでしょ。怖かったよ。

僕らが決着をつけないといけない『新世紀エヴァンゲリオン』とはつまり、作品単体の話ではなく「ミーム」なのです。エヴァンゲリオンのミームは「エヴァンゲリオンを知る以前と以後」で世界を分けてしまった。その取り返しは絶対につかない。エヴァンゲリオンと言うミームによって情報を改変された「エヴァンゲリオン以降の人間」しかこの世界にはいないからです。

無茶苦茶な事言ってると思われると思いますし、エヴァを知らない人からは「そんな事なくない?」と言われそうなのですが、これは全部事実です。認めるしかない。エヴァンゲリオンは現実に対して甚大な影響を与えたフィクションなのです。

僕に頭を下げてきた同級生の決意は今更覆らない、綾波レイに取られた彼氏はそれ以前の彼氏と別人なんですよ。フィクションにはそういう力があった、確かに存在する、それを可視化してしまったのはエヴァンゲリオンなんです。

我々は現実(リアル)に起きた出来事を虚構(フィクション)にフィードバックするし、虚構(フィクション)によって人は現実(リアル)での価値観を変更しながら生きてるんです。その体験こそが僕にとっては「エヴァンゲリオン」なんですよ。だから前提として僕にとってエヴァンゲリオンが終わるは人生が終わる事だし、シン・エヴァンゲリオンがどんな話でもエヴァンゲリオンを終えることが出来ないんですよ。

この感覚をもった僕が『シン・エヴァンゲリオン』を見てなにを感じたのかと言う話が、僕の『シン・エヴァンゲリオン』感想になっちゃうんですよ。

って前提条件を説明したところで1200字を越えてしまったのでもう今日は終わります。なんだこの怪文書。

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