2021/03/16

それにこの先の展開は「エヴァに乗ることを決意したシンジ。出撃百合。異常に強い冬月。シンジ出撃。以降言語化不能！」とかなんでちょっと書きづらい。なのでキャラとかの話を優先して書いて自分の感情に向き合うね……。

まず整理したいヤツ誰かって言われたらお前だ鈴原サクラ突然出てきてお前なにしてくれるんだ鈴原サクラ。僕はお前が旧劇くらいまでは設定名が鈴原ナツミだったのを知っているし、ゲームの『新世紀エヴァンゲリオン２』に出てきた時には声が長沢美樹だったのも把握してるぞ、沢城みゆきの声になって名前も変わってるの「世界が変わった」にしてもかなり急激じゃないですか。

僕は新劇で追加された人物の中では、鈴原サクラはかなり好きです。
「碇シンジに命を救われた少女だった者」が出てきて「シンジがニアサードインパクトを引き起こした事を責めていない、彼が世界を守ったことを知っているのだから」と提示してくれるのをやってくれたの、最高なんですよ。こう言う人が存在する世界だって教えてくれてありがとう……。あのシーンのためにシンを見た価値はあったと思う。

彼女は「碇シンジの失敗」（初号機を暴走させた事、二アサーを引き起こした事など）を肯定する立ち位置にありますよね。

破のラストを見て「これが原因でサードインパクトが起きたとしても、もう人類の誰も碇シンジを批判する権利はないよな」と思いました。それだけの事をずっと碇シンジはやってきたし、人類はそのくせ彼にそれに見合うだけのものを今まで与えてなかった。彼が世界よりも綾波レイを求めたとしても文句なんて言えない。
あの場面、葛城ミサトはそれを許していたし、僕らもそっち側にいた。
『天気の子』に近い文法の結論ですよね（『天気の子』の偉大さは、それを「なにものでもない少年」に行わせた事って部分がかなりある気がします。碇シンジは明らかに「超越者」なんで……）

その流れに「シンジよりも幼い子供」もいた事、救済だったんですよ……。それがシンジに救われた人間の代表みたいな顔して出てきて「碇シンジはエヴァには乗りません！　碇さんはエヴァに乗って、みんなを不幸にして、自分自身も不幸になったんや。だからもう、碇さんはエヴァには乗らんのです！」と言い出す。

そうだよ。シンジくんはもうエヴァに乗って戦わなくていいんだよ……それでもエヴァに乗るのがシンジくんなんですけど………………撃ってもたぶん痛みでは止まらない（碇シンジは頭を貫かれても腹を貫かれても片腕をもいでも、それが痛むだけなら戦い続ける）ので、両足をへし折って拘束するか、親友を人質にとって心を折って止めるのがお勧めです。

昔はみんな「碇シンジは傷つくのが怖いから他人と関わらない」とか「傷つくのが嫌なのは卑怯だ」とか適当な事言ってたけど、碇シンジは物理的な痛みだとなんでも耐えるし、関わった人間がエヴァ3号機に乗る運命なのにもっと人に関われなんて言えるもんじゃないでしょ。僕はシンジくんに「僕が関わった人の運命が綾波やアスカやトウジやカヲルくんなんですよ」って反撃されたら泣いて謝る事しか出来ない、むしろ人との繋がりこそシンジくん唯一の弱点じゃん……。

『綾波レイと近い動機で全く別の行動を取る。綾波レイの行動は碇シンジを加速させ、鈴原サクラの行動はシンジの行動を影響を与えない』みたいなところが考察されているし、たぶん実際にヒロインとしてはそこの要素を継承したキャラだと思うんですよね

続く「そうや ! 碇さんは私らを救ってくれた恩人や！　けど、うちらのお父ちゃんもニアサーで消えてもうたんやぞ！？　碇さんは恩人で！　仇なんや！」も内面のぐちゃぐちゃさを隠すつもりがないのでいいセリフ。綾波はこういう事まで言ってくれないからなあ。

なお『テレビ・旧劇』だと「トウジが3号機に乗る条件に、妹の転院」を求めていた設定なんですが新劇だとそういう要素はないはずです。トウジを介して感謝を伝えてくるくらい。ただコンテの段階では存在した（本編ではカットされた）内容に、シンジの初号機の人形と応援の手紙を渡すシーンが存在したとの事です。Qの内容が先に決まっていたらこのシーンはカットされてなかったと思うんですよね。ここがエヴァのライブ感だよなあと思います。