2022/02/08

曇り/1024hPa/体調:そこそこ

母が短期の入院したので、仕事休んでその作業手伝ったりあとついでに全部家事したりなんだりしました。
空き時間? ずっと本読んでるかポケモンしてたよ……!

読んだ、観た。

米澤穂信『黒牢城』


歴史を扱った小説としては『天地明察』以来の面白さでした。つまりほぼ最高の小説と言って問題ない。
織田信長に謀反を起こした人物として知られている荒木村重を主人公に、彼が土牢に捕らえた黒田官兵衛を探偵役に据え、二人の推理によって「毛利の援軍を待つ籠城中の有岡城」と言う巨大な密室を舞台にした連作短編推理小説です。普通に密室殺人やってるんですよ。それを黒田官兵衛が安楽椅子探偵するの。土牢の中で。このシチュエーションの段階で面白さが保証されているなあと思ってたんですが、読み進めるとどんどん「強く」なっていくんですよ。

僕は村重のことを全然知らなかったのですが、そもそも彼がなぜ信長に謀反を起こしたのかはよくわかっていないそうで。この小説にはそれを解き明かしていく「ホワイダニット」と言う側面があります。また歴史そのものに対する「ホワイダニット、ハウダニット」を行う小説でもある。
それらが表に現れていくと、この先がどうなるのか気になってしまって全然読みのをやめることが出来なくなる。とにかく読者を引きつける力が強い。

正直米澤穂信作品ですから、「軽いトーンで、しかし時代が時代なのでしっかりと地獄」と言う小説かなと思っていたのですが、終始「荒木村重と言う、戦国の世を生き、知性と腕力を併せ持った、しかしどこか不安げな人物」を濃密に描ききっていました。文学的にも評価されるのは当然と言う出来だと思う。正直、「やや時代がかっていて読みづらい」と言うイチャモンに近い不満しかないよ。そもそも小説としての完成度がものすごく高いです。その上で娯楽性が高いので、終盤はずっと「ああ!」って叫びながら読んでました。オールタイム・ベストの一冊。あまりにも傑作なので気軽には読めないので、これをしっかり読んでくれる人にしか勧めたくないみたいなところもある。例えば歴史物というだけであんまり真面目に読まないみたいな人には「こんな傑作に変な感想返されたら嫌だな……」と思っちゃう。そのくらい好き。

『錆喰いビスコ』4話。


痛快な道中劇になって楽しい。ビスコもミロも人柄がいいので、彼らが旅をする場面にストレスが全然ないと言うのがかなり良い。今回はビスコがミロの能力ではなく人格、それも町医者としての人格ではなく、友人としての人格に惚れ込んでしまうと言う部分ですよね。その結果としてミロのことを褒めて楽しそうにするビスコを見て、ビスコの日常的な表情に視聴者が好意を覚える。登場キャラのことをどんどん好きになる1話。安定してる。

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