2023/01/17

曇り/1022hPa/体調:ちょっとストレス過多傾向

ようやく『すずめの戸締まり』観ました。冬休みが終わり、劇場ガラガラの日を狙い、人の少ない時間なら行けるだろくらいで。予想噛み合ってスカスカの状態で見られたんですけど、もしかしてみんなわりと真面目に自粛してる? この田舎であの感染者数だとやっぱみんな思うところあるのか……本当に人が少なかったので……。

観た。

『吸血鬼すぐ死ぬ』1話

吸血鬼すぐ死ぬどんなアニメか想像できなくてなんとなく見てなかったんですが、めちゃんこバカアニメじゃないですか。ここまでバカとは知らなかった。最初に城に入っていくから19世紀くらいの話をやる気なのかと思ったら、本当にただのギャグ時空だった。普通に据え置きゲーム機がある時代背景なのに、自宅に押し入りされているドラルクさんのほうが被害者じゃねーか、ロナルドさんも子供も謝れかわいそうだろと思いつつも爆笑しちゃった。しばらく気分転換に見るのに使わせてもらおう、ありがとう……。

すずめの戸締まり

むっちゃくちゃ水に合う映画だった……。完全にロードムービーの現代伝奇なんですね。不純物がない。

九州で暮らす17歳の岩戸鈴芽(すずめ)は、扉を探しているという旅の青年・宗像草太と出会う。彼の後を追って山中の廃墟にたどり着いたすずめは、そこだけ崩壊から取り残されたかのようにたたずむ古びた扉を見つけ、引き寄せられるようにその扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で次々と扉が開き始める。扉の向こう側からは災いがやって来るため、すずめは扉を閉める「戸締りの旅」に出ることに。数々の驚きや困難に見舞われながらも前へと進み続けるすずめだったが……。

https://eiga.com/movie/96308/

本当に伝奇なんでこれらの怪異は日本神話に基づくあれこれだし、草太とすずめは真面目に祝詞を唱えて鍵を占める動作で怪異を扉へ閉じ込めるんですよ。序盤はそういう少年漫画っぽいノリで進行する。少年ジャンプ連載のマンガの映画化みたいなテンションでびっくりしちゃった。中盤、ミッドポイントから始まる部分はよりロードムービーを優先し「すずめの体験、東日本大震災」をテーマにしている。この物語が成立するギリギリのタイミングで劇場映画になったと思う。

無限に語ることがあるので、逆に語るのが難しいタイプの映画だと思うんですよね。

以下バレあり。

公式サイトのあらすじでバレている事なんで言うですけど、草太は呪いによって序盤にあっという間に、すずめの持っていた子供用椅子の姿にされてしまう。画面の中を縦横無尽に駆け巡る椅子! 性格がめっちゃ優しいので椅子なのに美青年に見えてくる。人間の姿も美青年として描かれているんですけど、はっきり言って顔はおまけのキャラだと思う。大体の人美女と野獣みたいなアレで「椅子のままでいいよ」ってなるんじゃないですか? 実際草太本人は外見に気を使わないタイプっぽい(服装は廃墟に行くのに白いシャツのまんまだし、髪の毛も伸ばしているというよりは伸びている感じで、顔が整っているから清潔感があるだけというタイプだと思う)。こういうバランスの取り方は正直新海誠監督に期待してなくて意外でした。

二人のゆく先々、「宿が混雑している」などのイベントが起きるんですけど、これはおそらく神様だからなんですよね。冗談とかではなく。新海誠監督によれば、すずめのオリジンはアマノウズメミコトだそうだし、草太は神によって呪い(神の権能を譲渡するタイプの)を受けたので神だろうし。道中のイベントのあれこれが「神様だからの幸運」と言う設定であるのを感じる。

扉の向こう、黄泉、冥界、常世、から訪れる災い「ミミズ」はまあ龍脈、活断層の比喩だとは思うんですよ。そして扉の場所の一つが皇居地下なんですよね。他の場所が宮崎(日本神話始まりの地)熊本、愛媛、神戸と地震が危惧される場所ばかりだし……。

こういう事を全然説明しないで物語が進展するんですよ。めちゃんこ伝奇ものなんだけど伝奇ものとしての知識や解釈は、過去作以上に観客にぶん投げている。鎮魂の物語でありながら、娯楽としての物語を優先した、非常に観客に寄り添った映画になっていると思う。その上で僕はめちゃめちゃ、この作品の「伝奇としての面」が刺さってしまった(まあそれも娯楽要素なんですが)

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