2023/08/04

曇/1006hPa/体調:悪め

これ食ってみたくて家庭でできそうなレシピを考えているだけで日が暮れてしまった。

観た

『地獄楽』8~9話

地獄楽
地獄楽

あんまり死にそうになかって典座くんがかなりサクッと殺されてしまった。仙人たちには基本勝てない路線だと思うんですけど、9話で画眉丸が正面から力押しのラッシュでフィジカルでは勝てるのを証明しちゃうところかなり笑っちゃった。かなり話の前提が覆ると言うか、あの描写がある限り、再生を封じるとか火力を上げるだけで仙人が倒せる事になってしまうな……。

これ、ジャンプ漫画っぽさの何割かを占める「あとから追加されたパワーアップ要素」「気・チャクラ・覇気的なもの」を序盤に追加する欲張りスタイルか? 

君たちはどう生きるか

映像的には満点に近い迫力だし、見たいなら見たほうがいい。ストーリーそのものが面白いと感じるとは言い切れないと思う。でも個人的にはかなり満足感があって、単純に「受け取った情報の量」で判断すると今年最大の映画は今のところはこれです。「スタジオジブリ作品だしこういうシーンあるんじゃない?」って大喜利して出てきそうなシーンの7割くらいは実際に映画中にありますし。

「宮崎駿なんてナウシカの漫画描ききったんですから後の人生なにやってもいいじゃん」と思っているので、正直僕には宮崎駿が作った作品がどんな出来栄えでも、今更批判する気がないって言うのは言っておくべきかな!

思っていたよりもかなり英児童文学っぽい映画だったんですよ。「宮崎駿作品は元々そうだよね」って言われるとそうなんですけど。色んなところで「物語の構造は〇〇と類似している」みたいな指摘があるんですが、そういう話の9割くらいは流していいと思う。

最低限のあらすじだけを説明すると、本作は太平洋戦争戦時中の日本、母の死を経験した少年眞人が送る『異界探索』の冒険活劇ファンタジーです。つまりこの映画は『行きて帰りし物語』、典型的なファンタジーの構成をしている(そういう意味ではまったく逸脱してないんですよね)作品でした。

僕はかなり「不思議の国のアリス」「ナルニア国物語」「ゲド戦記」と言った「今までも宮崎駿の源流を感じた作品」を連想したし、概ねはそれであってると思う。より強い類似を指摘されてるのは『失われたものたちの本 (創元推理文庫)』ですね。これは読んでなくて気になるので、たぶん後で読みます。

早めに脳が「アリスを読むくらいのナンセンス感でいいよ」処理してくれたので、ナンセンスっぽいところは全部「児童文学っぽさ」で処理できたから「ストーリーが不自然で不満」みたいなのが僕にはほとんどないんですよね。

あまりにも今更すぎてあんま言われてない話の気はするんですけど「演出は宮崎駿っぽい」よね。ちょっとしたすれ違いくらいで、キャラの人格を表現するのとか。お婆ちゃんが手をバタバタさせながら喋っていると、それだけで可愛く見えてくるとか。少女が走る時の手の動きとか(これあまりにもあまりで変な声出そうになったよ)。そのあたりのお陰で「つくり手が好き勝手にやっている映画」なのに最低限の娯楽性が確保されている感覚なんですよね。

感想を読んであちこちで言われていて面白かったのが「エルデンリング」に似ていると言う指摘です。確かに「外なる神が来訪し、律を作り王を置き、その世界の中で死者の国が生まれ堕落し滅びの危機にある。そして主人公が新たな律を定める王として求められる」と言うのはほぼエルデンリングと同じ背骨です。しかしこれはエルデンリングが「宮崎駿っぽい」んだと思います。漫画ナウシカも「世界を作り直した人々が、新たな王を求める物語」ですしね。

あとは最近の日本のファンタジーだと「すずめの戸締まり」からも同じ様なテイストを感じてしまった人がいるでしょう。僕もそうで、これは「今まであまり考えた事がなかったが、新海誠もまた、宮崎駿っぽい作品を作っている作家」(友人からは「だからこそ日本の人口に膾炙する映画になっているのではないか」と言う話もありました)なんでしょうね。信じてもらえない事かもしれないんですが「すみっコぐらし劇場版」にもそういう物を僕は感じているよ……。

このあたりの神話的テイストは「漫画版ナウシカ」の焼き直しって言えなくもないです。ストーリー面にもそういうところがある。これはナウシカこそが集大成だったのでこの世のすべての作品はある程度ナウシカらしさがあるだけかもしれない。なにせ宮崎駿なのでそうなってしまってなんもわからん。無限に「そうかもしれない。そうではないかもしれない」を冒頭から結末までいい続ける事ができるアニメ(そして無限に「そうではないかもしれない」が言えるのが作品最大の欠点)

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