2024/04/20

晴れ/1018hPa/体調:悪い

午前中は寝ていました。ちょっと起きてられる体調でなくて。午後からは結構動けていたんですけどいっぱいいっぱいかも。

読んだ、観た。

『くちびるに歌を』

五島列島の中学校の合唱部。産休に入った合唱部顧問の音楽教師・松山は、幼馴染の柏木ユリに自分の代わりに臨時教員になることを依頼する。女子ばかりだった合唱部だが、彼女の美貌目当てに男子部員が大量入部。衝突しながら目標に向かって進む部員たち……一方、成り行きで合唱部に入ってしまったぼっちの少年・桑原サトルは、自閉症の兄、初恋の同級生、自分を友人扱いする男子部員との関わりの中、自分の十五年後を思う。
「私はまた中田永一(乙一)を読んで泣きました」の札を掲げる……。映画化もされている有名作なんですが、未通でした。合唱と言う行いの中に「人生に意味はあるのか?」「自分はなんのために生まれ、なんになるのか?」と言った問いかけがある。「人を好きになったこと」で悩むのと同じようにして、彼らはそれを抱えたまま、五島列島の広い空と海を背景に日常をすごしていく。構成があまりにもうますぎる……。悩みの大きさや苦しみの深さは個人によってマチマチであること、苦しみの中でも優しくあれる人間の美しさ、どこか愚かしい青春の日々の愛おしさ。
僕はこの作品が漫画化・ジュニアノベルス化もされているのはすげーいいことだと思います。こう言う「人生のまだ幼い時期に出会った方が幸せな小説」はいろんな形で触れられるようにされている方がいいと思うからです。もし内気な小学生あたりに「お勧めの本がありますか?」と言われたら、読ませたくなる10冊の中にこれが入る。

『有頂天家族』8話

有頂天家族

矢二郎兄さんの「息をするのも面倒くさい」が辛すぎる……。小さな狸の姿のままであるにも関わらず、あまりにも背中の大きな父親。それと当たり前に話す赤玉先生。広々としていて、誰も通らない寂しい京都の町、鴨川。そしてその前でちっぽけに背を丸める矢三郎、それに矢一郎。背景美術と演出で語られる登場人物たちの辛さが際立つ名エピソード。この話のためにこのアニメを見る価値があると思った。アニメという媒体の強みが生きているし、文学的な原作のテイストもよく活きている。胸に染みる。

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