2024/04/30

曇り/1005hPa/体調:そこそこ

半日くらいずっと本を読んでいたので体調がいいよ!

読んだ。

『カササギ殺人事件』

「今更僕が語るまでもない傑作を読んでしまって、逆にどういう感想を書けばいいのかわかんない時の顔」してる! 上巻と下巻で趣が違っていて、僕はそれも知らないで読んで「おーーーい!」となりました。
背表紙に書いてあるのでバラしちゃうんですけど上巻は『1955年7月、掃除機のコードに足を絡めて死んでしまった家政婦の死を切欠とした小さな村に広がる波紋、死病を抱えた名探偵アティカス・ピュントが人生最後の捜査に挑む』って筋書きのミステリなんですよ。解決編が始まる――と言うところで下巻に続き……
下巻は『そこで原稿が終わっていることにアティカス・ピュントシリーズの編集者がキレているところに、アティカス・ピュントシリーズの作者の訃報が入る』から始まるイギリス出版会を巡る殺人事件の捜査になるんです。この段階でめっちゃ面白そうでしょ? 実際おもしろいんですよ……! ごちゃごちゃし過ぎという評も見たんですけど、僕は次々伏線が回収する楽しみを味わいやすい、娯楽性の高い読書だと思った。

〈小市民〉シリーズ15年ぶりの長編新刊にして完結編。読んで……読んで……!! とにかく良かったからシリーズファンは絶対読んでほしいし(言われなくても15年間待続けることのできたファンは読むだろ!!)
結果としてなんですけど『カササギ殺人事件』のあとにこれを読んだのは正解だったと思います。と言うのもこれも二重構造――『現在:高校3年生の冬、受験を前にした小鳩くんが交通事故で入院し、捜査のために小佐内さんは姿を消している』『過去:中学3年生の夏、大会を前にした同級生が交通事故で入院し、捜査のために動いた小鳩くんは偶然小佐内さんと出会う』ってなってるんですよ。その他、細かい遊び心の趣向も似ていたように思えます。読み進めて行くときのワクワク、不安、小さな引っ掛かりが集まっていく興奮、その全てがある小説だった……。
ちなみにすっごく正直に言うと作品としては『冬季限定ボンボンショコラ事件』の方が巧みな上に読みやすかった。なにせ『カササギ殺人事件』は5日位かけないと読めなかったけど、『冬季限定ボンボンショコラ事件』は1日でずっと楽しい気持ちで読み切れてしまった。

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