2020/09/01

曇り/1014hPa/体調:熱中症気味だったのでは?

夕食食べた後、読書していたら、なんだか体が熱い感覚があって思考力鈍っていく感覚。これは熱中症では? 首を氷枕で冷やして休んだらだんだん調子が良くなってきて、続きを読めて助かりました。ちょっと酷暑にストレスがたまって、調子を崩したのかもしれないです。

P5、僕は一周目ちょっと距離をおいてしまったコープがあって、あんまり攻略情報をみないで突破したのもあってかなり偏っていたんですよね。だいたい双葉のところに入り浸ったり双葉を連れ出したりするのを黙々と繰り返すジョーカーだった。二周目では全部攻略したんですけど「その、なんか一周目には助けずに悪かったなお前ら。今回は全員助けるから、許してくれよ」みたいになっちゃういましたね。

ジョーカーが『屋根裏のゴミ』と言われているのは本編中の台詞からなんですけど(彼がどんな人間にとってゴミなのかと言う)(女性全員と恋愛関係を持つことが出来るというゲームシステムの問題でもある)、ジョーカーはすごく『善』の側にいるキャラクターなんですよね。そもそもが「まだ高校一年生のジョーカーが歩いていると、女性を襲っている男がいたのでそれを咎めたら、相手は権力者だったので前科者にされた」と言う来歴の少年なので当然だけど。本編のジョーカーは「人を助けるような当たり前の事ができない理不尽」と言う抑圧の中で「その理不尽を打ち破る、その様な世界に反逆する」と言う意思で能力に覚醒するんですから、正統派のヒーローと言っていいと思います。

問題はその正統派のヒーローでほぼほぼ間違いないジョーカーの精神世界が徹頭徹尾「牢獄」であり続けることで。彼が世界をどう見ているかの解釈がわりと難しいところなんですよね。ゲーム中盤くらいにはもう「理解者と友人に囲まれての生活」ではあるわけで。ジョーカーはずっと陰口を言われている描写はあるんですが、それを仕方がないと受け止めている気配もある。そして彼は心の怪盗団の事をなかなか「正義の集団」とかそんな風には言わない(ただし明智とのやり取りではそれを口にし、人前で声に出すわけです。それも初対面で)。義賊としての活動でも悪事は悪事であり、自分は犯罪を行っているという強い自覚があるのではないかなと、自分はプレイして感じていました。

それが具体的になったのが「仲間は檻の中、外から自分が問いかけにゆく」とか「神の権威をなにを持って破壊するのか」への解答だとかだと思うんですよね。現代社会において、ジョーカーの持つ生粋の善性こそがトリックスターたる由縁であるとも感じる。そしてその「善性を貫くこと」は罪であるとジョーカーは捉えている節がある。なので、ジョーカーは自分への悪意に関しては、かなり極端に無頓着なんじゃないかなと(他人への悪意にはあんなに敏感なのに!)

「善性の欲求に従って、悪事を正すための、悪を行う」と言う感じの一貫性があるので、シナリオライターが凄腕でそういう芯を通させたんだろうと思うんですよね。ブレがない。

読んだ。

阿津川辰海『紅蓮館の殺人』正統派の本格ミステリ、館もの。高校生にしてあらゆる嘘を見抜く名探偵・葛城、探偵への憧れを持つワトソン・田所の二人を主人公に、山火事によって炎にまかれ消失の危機が迫る『館』で起こった殺人事件の謎を追う作品です。ミステリを読む方なら「これは『シャム双子の謎』のオマージュでは?」と思われるでしょう。もちろんそうです。
真っ先に提示される見取り図。様々からくりが施された『館』で、かつ炎にまかれてのクローズドサークル状況時間制限あり。面名探偵をやめた元名探偵・飛鳥井と言うピースが加わる事によって「この全員焼死のリスクが差し迫った状況の中、探偵はなにをするべきなのか?」と言う問いが生まれる流れとかなり真っ向にぶつかったストーリーになっています。自分の命と謎解きが天秤にかけられる状況は、冒険小説としての面白さも持ち合わせていると言っていいでしょう。
「高校生探偵がエラリー・クイーンみたいな悩みに直面した時、どうすりゃいいんだよ」をやると聞いて「それは読みたい」となる人も多いんではないかしら。本格ミステリとあまりにもガッツリと組み合っている作品なので、本格ミステリを読み慣れていない人だとちょっと面食らう事もあるかもしれません。捨てる場所のない、いいミステリです、好き。……内容がしっかり本格だと、あんまり内容に踏みこめないのでこのくらいしか言えなくなるな……。

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