2021/09/28

晴れ/1016hPa/体調:なんかいつもどおりくらい悪さ

ようやく歯の治療が終わりました。ほぼ3ヶ月も治療に費やしてしまった……。

読んだ、観た。

今村昌弘『兇人亭の殺人』

ちょっと予想していなかった刺さり方をしていて、大変好きな小説となりました。

廃墟テーマパークと言うのは実は結構人気のあるジャンルで、マニアが結構いるものです。今回はそうした廃墟テーマパークの中にある屋敷『兇人亭の殺人』が舞台。斑目機関による研究での試験体がいると言う兇人亭は、なんとその中心にあると言う。葉村と比留子がある事情でその館を訪れ――始まる阿鼻叫喚のモンスター・パニック。
そうモンスター・パニックなんですよ。今回のクローズドサークルは「人間を一方的に蹂躙出来る殺人モンスター」と「もしそいつを逃せばテーマパークの人間たちが犠牲になってしまう」で成立します。当然あとはクローズドサークルなもので人が死にます。生き残るのが大変すぎてまともな人間なら推理どころじゃない。

とにかくロジック展開が鮮やかでした。「あ」と声に出してしまった。そこからのカタルシスの強さはシリーズ一だと思う。人がとにかく理不尽な暴力に脅かされたり、人が生きる上で重責を背負って苦悩するのが好きと言う人は前二作よりも適正度が高いと思う。僕がそうでした。

一応、最低でも『屍人荘の殺人』は読んでいてほしいけれども読んでなくてもギリ読める……? くらいなんですが、前二作踏まえた方が人間関係などを楽しめると思います。

特殊状況もののわりに「強い粗筋では売っていない」印象のあるこのシリーズなのですが、今作は「こういうのが好き」と言う読者に届けば響く気がするんですよね。なにより「確かにこのロジックはこの状況じゃないと駄目だ」と言う美がある。

『転生したらスライムだった件』45話、46話。


まとめて。
シュナ中心のバトル回と、クレイマンがさっそくなにもかも負けていく流れ。もうすでにシュナの活躍で城まで失っているし、ほぼ全ての手下が倒されているので、マジに仮にここでリルムを倒すことに成功したとしても、もうなにも残っていないクレイマン、笑ってしまう。こんな負けが確定しているボスキャラクター久しぶりに見た。
しかしこれだけクレイマンの格が落ちてしまうと(ただ格が落ちてかつ小物感があるわりに、前のシリーズの人達よりも嫌な感じがしないのさじ加減やキャストのうまさですね)彼に脅かされたカリオンさんの立場が危うくなりそうな気もする。まあもうこの辺は楽しい展開だから些事か。

コメント

タイトルとURLをコピーしました