2023/03/18

晴れ/1015hPa/体調:すこし夜に疲れが出た

シャザムの感想を書いていて思ったんですけど、この「このヒーローでなら描ける物語」が設定(序盤)の段階で伝わってくるかどうかは、僕が抱くヒーロー作品への好感度にかなり大きく関わっている気がする。これを見失ってきた時の仮面ライダーは見る気がなくなるから……。

ひろがるスカイプリキュアの好感度の高さにも関わっている気がしますね。名前だけでどんなヒーローなのかを示唆してくれるわけだから……。

シャザム:神々の怒り

個人的な心情にとても刺さった。何年か前から「〇〇でなくては描けないテーマをある」みたいな言い回ししてるんですけど、『シャザム:神々の怒り』はこれが該当する映画だと思うんですよね。子供や家族を主軸としたヒーロー・シャザムでなければ描けないものが描けていたと思います。

シャザムは魔術師シャザムから与えられた神の権能「Sソロモンの知恵Hヘラクレスの怪力AアトラスのスタミナZゼウスの全能AアキレスのタフネスMマーキュリーの神速」を操るちょっと異常に強いヒーローシャザム。これは実際に神々から魔術師シャザムが奪ってきた能力であり、これの返却を迫ってくるアトラスの娘たち「自分の家族の血や力を返してくれ」お前らギリシア神話の神々のくせにど正論だなと言う感じの映画です。

この作品がヒーロー映画であることに異論を挟む人はまったくいないと思うんですけど、見ていて思ったのは「ほとんどバトルしてないんじゃない?」なんですよね。そうシャザムはそんなにバトルしない。能力はばりばりのバトル向けなんですけど……シャザム本人たちがあんまりにも戦いに向いていない性格しているんですよ。人型ヴィラン殴った後「やりすぎたかな?」みたいな顔になる。その徹底できないところが子供ヒーローシャザムの特徴であり、テーマなのではないか。今回シャザムの一人であるフレディが示したような「当たり前の正義感」ダーラが人に与えるような「当たり前の親切心」こそがシャザムのメインテーマであり(善行もまた人の本能である)、今作はそれを自然と周囲に振りまくような脚本で、それは前作以上にシャザムにしか持ち得ない表現なのではないかと思うのです。

難しくはないけど、子供がけっこう見るであろうシャザムでこのようなテーマをちゃんとやってくれるのは、僕は「とてもいい」と思うんですよね。ヒーローの精神性がちゃんと出ている。暴力は解決策ではない。それが「子供の等身大の悩み」とも結びついている。僕はこういう映画は作られ続ける意義を感じる。100点満点の映画じゃないけど、絶対にあって欲しいタイプの映画だから、そこに大きな加点しちゃう。

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