2022/05/22

曇り/1011hPa/体調:悪い

体調そのものはあんまよくないので、感想を羅列するだけの日にします。

読んだ、観た。

『安達としまむら』1巻


正直予想とだいぶ違う小説でしたね。話題になっているアニメ化もされた百合というからもうちょっとこう、スタンダードなお話の作りを想定してたし、冒頭は実際にそうだったんですよ。授業をサボって体育館の二階ですごす不思議な関係の二人の同級生の百合という感じで。途中から宇宙人出てきたりして「ジャンルが少し変わった?」と思ったあたりもまあまだ普通だったんですけど、視点人物がしまむらから安達になった途端「これはしまむらがものすごく女子同士の人気が高いと言うか、その、実質ハーレムラノベでは?!」となってそんな話でした。作者の事を考えると「さもあらん」と言う気がしてきた。

汀こるもの『探偵は御簾の中 白桃殿さまご乱心』


平安ちょっと倫理観怖い男子二人がヴィランのところが終わって、恐怖の兄嫁編。帯の「ドキッ! 平安淑女だらけの身質呪術大戦!!」と言う汀こるもの作品でしか許されそうにないキャッチコピーに脳がしびれました。呪術を使うな媚薬をばらまくなしかしこれに違和感をおぼえるのも現代人の倫理観だから……なのか? 今でも人間はかなり恋愛に呪術を使い媚薬をばらまいている、このジャンルに関して人間はビックリするくらいあんまり進歩していないんじゃないか?
ミステリとしては「物理トリック! つきもの落とし! 島田荘司と京極夏彦の洗礼を受けている人間の味!」と言う作品なので、講談社ノベルスメフィスト賞路線の正統後継者の貫禄があります。
個人的には「鳴かぬ蛍が身を焦がす」の方が好みではあったんですが、これは僕がスパダリにメロメロになるタイプの読者だからだと思う。

『オッドタクシー』12話、13話



劇場版が存在しないか秋田でまだ上映していたら100点だったんだけどちょっとだけ続いたので減点式で95点。リアタイで見ておくべきだったな……。ついに行われる銀行強盗、カーチェイス、カポエラ、解決編。花江夏樹による幼年期小戸川のモノローグからの「世界の変化」のカタルシスが鮮やかさ。小戸川の人間不信そのものはそこまで癒えている感じはしないんですけど、今の小戸川には友達がいるから大丈夫なんじゃないか? と言う気持ちになってくるさじ加減が気持ちよかったです。本編そのものに悪いところマジにあんまなかったです。今のところ今年みたアニメのベスト枠かな。1クールで終わるアニメお勧め10選とかしたら入れると思う。

『のび太の新恐竜』


「新恐竜」と言う単語の意味なんですけど、大まかには「新種の恐竜」で良いんですが、もちろん「のび太の恐竜を下敷きにした新規作品」の意味もあり、さらには「なぜ彼らが存在するのか」「では新恐竜と呼ばれるべき動物とはなんなのか」の問いかけの要素もあってかなり凝ったタイトルの作りだなと思いました。
白亜紀の恐竜時代にはだいたいこの世に存在した全部の恐竜を出していいと思われている中、比較的ではあるもののアジアを中心に頑張ろうとした努力と撮れ高の間の苦しみが垣間見える。
よくなかったのは「ちょっとネットミームを真に受けすぎた作品なのではないか」と言う不安がけっこう残っちゃったことだな。悪が不在だからこそ解決が難しいタイプの作品。悪く言うと「のび太の恐竜と竜の騎士を両方やろうとしてバランスがちょっと悪くなった」とかになると思います。でもジュブナイルとしては「誠意」の話だから悪くないし、のび太が逆上がりとか練習するのはかなり自主的な努力だったりするの、けっこう好印象なんですよ。

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