2021/12/22

曇り/1021hPa/体調:悪め

仕事して寿司を食ったので優勝です。
問題はさすがにそれでも体力が切れていることです!

読んだ、観た。

宮澤伊織『裏世界ピクニック』7巻。


決着の7巻。6巻が劇場版という感じで、やや本編の展開を緩める代わりにアクション中心だったのですが、今回はホラー路線。繰り返し繰り返し行われる空魚への不定形な精神のアクセス。もはや恐怖の化身となった閏間冴月と言う、本シリーズで今のところたった一人と言ってもいい明確な敵との決着が描かれていました。
面白いのは民俗学のアプローチ部分と、そこから「いかにして裏世界と対話が出来るだろうか」と言う考察が一部示されることですね。恐怖そのものと言う感じの裏世界ですが、裏世界は本当「恐怖」なのか? 明らかにおぞましい存在だけど……と言う。
人間の精神そのものにアクセスするのが目的で、人間の感情がなんだっていいのだとしたら、もしかすると全然違った世界への変貌が世界のゴールなのかもしれないんですが、それは空魚が絶対に望まないであろう世界って構図なのが好き。クレイジーすぎる。

『月とライカと吸血姫』11話。


ソビエトがモデルなのでどんどん話がややこしくと言うか、なにもかも隠蔽し捻じ曲げ都合のいい場面だけ提示しようとする国家なのでと言うか。作品世界の理想のソビエト軍人が存在しないように、現実世界にもあんなに高潔な人物はいないだろうと言う気持ちが生まれてしまうくらいには、好感度高いんですよ、レフとチーフ。これは物語が本当に目指すところがよくわかるので、とてもいいことだと思う。レフのお小便すらもレフの人格の現れなので、「なんで俺はお小便がキラキラしている映像を……」と言う気持ちになったけれども、冷静に考えると「この世界ではキラキラしている人間の周囲こそ、本当にキラキラしているのだ」と言う演出とも取れる(と言うくらいには、レフとイリナの周囲にだけ集中しているんですよ)
この物語はけっきょくは彼らの高潔さ、純粋さが世界に影響を与える物語であるべきだと思うんですよ。ロケットが夢の象徴であるとされるのならば、ロケットに乗る彼ら二人にそんな夢を託したいと言う気持ちがある。しかしそれは彼らに虚像を押し付ける国家となにか変わりがあるのか……? と言うの、かなりいい構造。

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