2022/08/26

曇り/1008hPa/体調:あんまりよくない

医者に「疲れてるのよ」と言われたし実際に疲れているので疲れている。まあ段々と気候が落ち着いてきたからなんとか回復するでしょ。うつ症状が悪いのが回復すれば体調も戻りそうな気はする。

読んだ、観た。

昔読んだ時には全然のれなくてそっと閉じた本。今読んだら面白かった。茨城のある高校で、修学旅行の代わりに行われている「歩行祭」、生徒が80kmも夜通し歩行し続ける因習……因習? 風習? イベント……? の1日を描く。

この小説が始まったの2002年の頃で、しかし内容を読むとそれより時代が早い感じある。というのも携帯電話の概念がたぶんないんですよ。ポケベルの話もない。モデルは恩田先生の母校だそうだし、恩田先生の年齢から考えると1982年くらいの話になって、これなら帳尻があう気がする。

その時代であることを考慮して読む。物語の主人公は二人、西脇融と甲田貴子、同級生である彼らは異母兄妹であり、互いにその事は知っているがクラスメイトたちには伏せている。甲田が生まれたのは亡くなった西脇の父の不倫のためであり、二人の間には穏やかではない感情がある。歩行祭で親友と歩き続ける中、融と貴子、二人の心中には次第に変化が訪れていく。

一冊、ただ友達と喋りながら80km歩くだけの小説なんですけど、それを通して人間の心情が変化していく。変化した結果、どのような気持ちになったのか。ここが物語の核ではあるんですが、本当に核なのか? 二人の関係性の変化の物語って定義していいのか?

「名前のない感情」の話であり「言葉にできない気持ち」の話であり、『歩行祭と言う特別な空気と儀式』そのものを描くツールとして西脇融がいるんじゃないか? みたいな気持ちもある。

今なら良い小説と言える。

香月美夜『本好きの下剋上』2巻

ベンノとの出会いを経て、いよいよ『紙』を作ることになったマインとルッツの生活を描いた部分にあたる2巻。2巻は大部分が紙づくりの試行錯誤になっているため、実際に手を動かしてくれるルッツ、そしてそれを売り出すために協力してくれる商人ベンノの魅力がかなりのウェイトを占めている感じになってます。

一方で「いかにマインがいつ死んでもおかしくないか」もかなり強調されたストーリーナノが印象的。かなり死の影が濃い。

『名取さなのもぐもぐごほうびごはん』1

グルメ漫画が好きなVtuber名取さなが、ついに自分が原作で自分が主人公のグルメ漫画を作ってコミックスが発売しました。これは作中そういう事が起きているという話ではなく、現実での話です。マジにそういう経緯で世に出た本。電子書籍はKindleのみ、名取さながKindleのヘビーユーザーなので。紙書籍では帯が親友である月ノ美兎。

内容としては基本的には名取さなが自宅でご飯を用意してもぐもぐするだけです。なにせ名取さなは自宅からまったく外出しない人物なので、グルメ漫画の一般的な文法である「外出した先で入った飯屋」とか「ライバルが出てきて」みたいなの全然使えないんですよね。話の拡張性に乏しい主人公設定。なので面白さの質が、ほぼ名取さな本人のキャラと飯描写になってる。

『ExtremeHearts』8話。

なんでこんな『修羅の門』みたいなサブタイトルしてるんだ? と思ったら、キャラの世界観が『修羅の門』によっているなんて思わないじゃない? バトル漫画の世界観でアイドルアニメやってるんだよな……。

アイドルアニメで主人公ユニットに追加される新キャラが「腕力が強すぎて、対戦相手をガードごと粉砕、腕部骨折に追い込んだトラウマで競技から引退」した少女って発想はないですよ。剣術家の娘さんの方はまだキャラクターコンテンツによくある記号って呑み込めるけど、この子は癖が露骨すぎるでしょ。爆笑しちゃった。

スポーツ漫画の一場面としてはそんなに変じゃない物語なんですけど、同時にアイドルアニメでもある作品でこれを通すの『暴力』がすぎる。面白かった。

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