2022/12/30

曇り/1024hPa/体調:そこそこ

久しぶりに9時間くらいじっくり眠った。だいぶ気分が違うし、コンテンツの消化も捗ってなにより。

人がゼルダBoWプレイしてるのを見たんですけど、やっぱミファーのイベントを序盤にアクセスしやすいところに配置しているの、無茶苦茶正しいと思う。あのイベントを経験すると、人はどうやっても「ミファーのためにも、ゼルダを助けよう」みたいな決意が発生するから。

読んだ、観た。

『同志少女よ、敵を撃て』

同志少女よ、敵を撃て

読書体験としては2022年12月現在において最高のものの一つなんではないでしょうか。読書を通して感じた感情や驚きが「今の自分に必要だった」と言う気持ちなる事に関して、2022年12月現在の地球においてこの本はかなり突出してると思います。今、この本を読まなければ得られない体験が絶対にある。

「そもそも敵とはなんなのか?」と言う気持ちが序盤からずっとあって。しかしその疑問は正直、一度スターリングラードで忘れちゃいましたね……。と言うのが一番大きな体験だったかもしれない。

読者は物語を通してセラフィマと同じ経験をせざるをえないのが、この小説のもっとも大きな特色だと思うのよね。その経験が何かというと家族を友を故郷を失い、数多くの訓練を経験し仲間を得て狙撃兵となる。そして、復讐へとその身を捧げる……のみならず。スターリングラードでの戦いを通して、『変質』するのを体験する。自分の目的意識が変貌する、自分の動機が変貌する、それが戦争によってもたらされるのを「体験」するんですよ。これがたまらなく強烈。

もちろんそれ(戦争描写)だけの小説ではなく(それだけだったらこんなに評価されていない)、物語全体の構想、構造、その他諸々なにもかものクォリティが高いんですよ。ただそこを一つ一つ褒めてもキリがないし、他の人もそれをやってるし、今更僕が書く感想でもない気がするんだよな。重要なのは「この小説を読んで得る体験」のアピールだと思った。

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

色彩鮮やかな画面がみたいなあと言う欲が存在して「それならまだ観ていないティム・バートン映画見ればいいかな?」と思って見ました。思いの外好みにあう映画で楽しかったです。ちなみに元は児童文学ですね。

この「奇妙なこどもたち」と言うのは異能力者の事なんですよ。この映画、わりと異能バトルに連なる文法だったりする。わりとスタンドバトル味があるし。なんなら主人公の能力が「他の人間には見ることができない、敵の姿を見ることができるだけの能力」ってのもかなりゼロ年代ライトノベル主人公の空気じゃないですか? 展開にもシチュエーションにもそういうところがあって、そのへんが好きな層にわりと刺さる映画だと思いました。見るといいと思うよ。

要素を抜いて書いてみると「ウェールズの孤島、異能力者ばかりが集まる児童養護施設」「WW2下、ドイツの爆撃が起きる当日を繰り返すループ」「祖父の恋人だったと言う宙に浮かぶ力を持つ金髪の少女」とかですよ。完全にラノベじゃん。この話を古橋さんが書いたら最高にクールだと思う。ティム・バートンが映画として撮る分には「個性の強い児童文学映画」の範疇に収まっているとは思うんだけどね。でもティム・バートンがジョジョとかゼロ年代ラノベアニメにも親しんでいて、この映画を撮る際にそれを意識したのは「ある」と思うよ。

『サイバーパンク:エッジランナーズ』7話

レベッカのはしゃぎ方が兄貴に似てるのにびっくりしちゃった。デイヴィットがタフな体格になったのはもちろんとして、そもそも賢くて周囲を観察するのがうまい、人の上に立つのが上手いタイプの動きですね。ビールを飲む時の動作が板についてるのが一番印象的かも。あれをさらっとやるのこそが「世渡りのうまさ」なんでしょうかね。

いきなりサイバーサイコっぷりが進んでしまっているのが不安になるな。まだ2話くらいは表面化しないペースの気もするけど。

『サイバーパンク:エッジランナーズ』8話

と思ったらその、完全にダメになってるじゃん。単純にサイバーサイコって描写と言うよりは、メインと母親の死に関するトラウマと組み合わさっている、と言う描写なのか? それともメインもけっこう過去の幻覚とかも見ていたし、普通に限界ギリギリなのかしら。ずっと母親の遺灰を手元においているのもかなり気になるんだよな。

ドクがこんなところで人間味だすの、妙にいいな。ドクでもデイヴィットに対しては思うところがある。と言う描写だと思う。「母さんもメインもオレになにか託して死んだ」「オレはまだなにもできていない」じゃないんだよ。お前が託されたのは使命じゃなくて、ただの命なんだよ。お前は命を全うしてくれ、デイヴィット……。

どう折り返すのかと思ったら、こんな地獄みたいな折り返しされると思ってなかった。少し泣く。

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