2023/09/30

曇り/1008hPa/体調:そこそこ

9月中に鵼を読み終えたので計算通りって顔しておきます。

読んだ、観た。

『鵼の碑』

鵼の碑

この小説を受け止める自分に年齢を感じたよ。昔はなにも知らない子供だったので、蘊蓄はなにもかも知らない話だったんですが、今ではそう言う姿勢では読めないのですね。自分の知識や主張とすり合わせして、その上で物語の内容として理解や把握を繰り返す必要がある。
いくつもの出来事が複雑に干渉し、その実態が明らかではない、それ故に鵼である。と言うのはわりかし予想がつくし、それであってる。ミステリ的には今回軽いんですが、その分キャラクター小説としてキャラ達がのんびりしてる印象があります。身も蓋もない言い方すると、関口くんが被害者枠でないゆえの余裕がある! 友達増えて良かったね!
「起きた様々な出来事を再構築する作業である、憑き物落とし」が本領を発揮している物語でもあるよね。この読み応えは他の小説では得られない。憑き物落としがミステリに引っ張られすぎていない。しかしミステリとして期待したので「見事に憑き物が落ちた結果、するっと終わった」気持ちがある。

『イニシェリン島の精霊』

イニシェリン島の精霊

フォロワーが褒めている以外はなにも知らないで見る。みんなにケンカを疑われる事で、2人が仲良しなのを表現するのシナリオ巧者。かなりデカい愛を感じるやり取り。なんの躊躇いもない「ベストフレンズ」って表現。く、クソデカ感情バトル! 待ってほんとにやるの、えっえっ、どこに着地する映画なんだよ、このまま男二人の退屈だがかけがいのない日々で良かったんじゃないか、えっ、指とロバはなんのメタファーなんだよ! 指が文化でヤギが島の退屈な暮らしだろうと思うが、それはそれとしてなんなんだ。続く内戦、取り返しのつかない争い、心の病に苦しむ人々、回し飲みされる密造酒、終わらない争い、朧気に繋がるモチーフなにもわからん。そもそも泣き叫ぶ死を予知する精霊ってバンシーじゃないか。一番わかんないのディズニープラスはこの映画にコメディのタグつけてたんだけど、あれはどう言う意味だったの!?

百合ではないが殺伐百合と同じ発想の作品と言うのはすごくわかります。

『緋弾のアリアⅥ』

スナイパー少女、レキの話。たぶん前編的なエピソードで、レキに感情移入させるためのエピソードに全振りされている感じ。そのため意外な真相が判明するとか、新たな敵の正体が語られるとか、本筋であるアリアとの関係の変化とかみたいなところは全くありません。いつもとは毛色の違う、レキによる狙撃の描写が多めなのが癖かな。

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